結局ね、こうなることは承知済みでしたよ。
また呆気なく、奪われてしまった唇。
もうどんだけキスしたいんですか、って思うのも飽きるくらい。
まあ、私も私で陽人さんのキス好きだから応えちゃうんだけど。
「んんっ……も、むりっ」
離れたすきに言うけれど、聞いてくれず続行。
さらに耳噛んでくるし、また忍び込ませてくるし。
それだけはダメっていうか、ここ会社だからね?
「っ……ちょっと」
「それ逆効果。それに誰も来ないから」
「な、……んむっ」
もう何言っても聞いてくれない様子の彼。
手はしっかり掴まれちゃってる。
……こうなったら。
意思を固めたその瞬間(とき)、彼の手がブラのホックに触れた。
躊躇など考えず、ただただ求め続ける彼の下半身を蹴り上げた。