「でさ!叶夢先輩が──」
目の前で浮かれてる真凛。
それはとても幸せそうに笑ってる。
さっきから、部長のことを愚痴ろうかとタイミングを見計らってるんだけど、なかなか見つからない。
次々と出てくる幸せオーラ抜群の言葉たちに押され押しまくられて、昼食すらも進まない状態な私。
はぁ。いーですねー、幸せで。
私の話も聞いてくださいよ、真凛さん。
パスタをフォークで絡みとりながらそう呟く。心で。
ちなみに真凛は先ほど叶夢先輩とデートの約束をしてきたとの事。
そして、今は1時間の休憩タイム。
近くのショッピングモール内の一角のファストフード店で過ごすのは毎度のこと。
っていっても私が毎度なんだけどね。
真凛は今日遅番だから。いわゆる付き添い。
「──、あれ?元気なくない?」
なに、今気づいたんですか、真凛さん……。
「悲しいね〜、私の話聞いて欲しくてずっとタイミング見てたのに、隙がないの!まったく!」
「うわー、ごめんごめん!……はい、あげる」
「わー!ありがとう!これ大好……てモノで逸らすな!」
そう尽かさずツッコミを入れると真凛はクシャッと笑った。