宇多くんに目を向ける。


すると宇多くんは、不機嫌そうに眉をひそめて、



「うれしくないよ、ぜんぜん」



あ、怒っちゃった。


怒り方も可愛いな。
なんだか拗ねてる小学生みたいだ。



「褒めてるんだよー?」


とりあえず、説得してみる。


だってほんとのことなんだもん。



「ねえ、白石さん。可愛いって言われて喜ぶ男なんて、きっと世界中どこにもいないよ」



……あ、よかった。


ちゃんと『オトコ』だって、自覚もってた。



「…それにさ、」