───今日も君は、
私のクラスへはるばるやってくる。
「白石さん、おはよう」
「おはよう宇多くん」
教室と廊下の間の小窓からひょっこり顔をだす宇多くんに、私はにこりと挨拶をする。
「今日も来たの?暇人さんですね」
「へへ」
宇多くんが、子犬みたいにふんわり笑う。
……この人、自分が『オトコ』だという自覚がちゃんとあるのだろうか。
今日は一段とオンナノコみたいなんだけど。
背もほかの男子と比べたらちっさいし、童顔だし、学ランだってぶかぶかだし。
学ランの下に着られてるパーカーの裾は、すでに萌え袖状態になっている。
同じ高校二年生とは思えないよ、宇多くん。
「…宇多くんって、可愛いよねえ」