「お友達呼んでますね」

「…呼ばれてますね」

「ばいびー宇多くん。私は今から地獄を見ようと思うよ。無事生還できるようにがんばるよ」



右手でグッと拳をつくる。

がんばるアピール。



「はは。うん、がんばってね。応援してます」



目尻に皺を寄せて、にっこり宇多くん。


真似してグッと拳をつくってくれた。



「じゃあまた明日」

「ばいばい」



宇多くんがパタパタと駆け足で去っていく。



去っていった廊下の奥で、

「はる、おまえ青春すんな!」

って理不尽に怒られてて、笑いそうになっちゃった。




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「も、やだ〜〜。どうしてこうなるの」


課題に取りかかること数時間。


全然解けない問題に嫌気がさしてきて、机の上に突っ伏する。


そろそろ私の集中力が限界である。