そんな生活をしているなかで、私はある人に出会えた。
それはバイト先によく来ていたお客さんで、いつも買うものはツナマヨのおにぎり。だいたい同じ時間に来ては私のレジに並んでいたから、私もその人も、お互いを覚えていた。
ある時、私たちは連絡先を交換して、それから付き合うことになった。

初めての彼氏。

色んなことがわからない私に、彼はいろんなことを教えてくれた。

人を思うこと。

沢山笑うこと。

頼ること。

抱きしめること。

キス。

セックス。

キラキラとした思い出は数え切れないくらいに、私の心に敷き詰められてきた。

「最近、変わったね。よく笑うようになった。」
友達にそう言われて、今までの私がどれほどまでに面白みのない人間だったのかが分かった。
いや、結構分かっていたつもりだったけど...。
そう、改まって言われると、ねぇ?


そうして、私は高校3年生になった。