寒い...体が冷えていくのが分かる。足の先から感覚が消えていく

空はあたしの心を映しているように黒くよどんでいた。

なぜこうなてしまったのか、今のあたしには理解できなかった。

話は、ほんの一時間前にさかのぼる。


あたしはいつものように彼氏である黒崎隼人<くろざきはやと>君に会いに行った
やっと高校の受験が終わったから...隼人君は推薦が取れるくらい運動ができるしカッコいいから自慢の彼氏だった。
だから、連絡もせずに会いにいたんだこんなことになるなんて思ってもいなかったから。


ピンポーン...


返事はなかった。いえからは...


「え...なんでお前がここに」


返事があったのは後ろからだった。それもあたしの親友と手を繋いで
あたしは笑うしかなかった。笑えていたかはわからないけどなぜか涙は出なかった

友香は隼人の手を離し

「違うの...早苗」

あたしを理解ができなかった...なんであたしの名前を平然と呼べるのか
あたしが隼人君の話をしているときどんな思いでいたんだろう...

「あ、うん。えっと何が?」

二人の表情がくもったうつむいている二人を見ていると
もっと弁解しようとしてくれると思っていた自分の気持ちは音を立てて壊れていった。

「さ、早苗...ごめんね」

友香は走っていってしまった。
二人になるとよけいそこだけが空気が重くなった。
話したいことがあった気もしたでも、この空気に耐えられなかった

「なんかごめんね...帰るね」

それからどうやって家に帰ったんだろう
気づいた時にはベッドの上で泣いていた。さっきから友香からの着信が何度も来ている
でも今は無理だよ...

早苗はそのまま眠りについた