そこでやっとさくらは呼び止められているのが自分だと自覚した。

というのも、おさげなんてしているのはこのクラスでさくらだけだったからだ。
 





……わたし? ゆっくりと彼のほうに顔を向けた。





程よく着崩した制服。
新入生の中でも一段と目立つ金髪に、耳にはいくつかピアスが光っている。
はにかんだ口元からちらりと八重歯が見えた。






さくらとは程遠い人。それが彼の第一印象だった。