蝉の鳴き声もやみだしやっと涼しい風が吹き始めたある日、
両親がいつになく真剣な顔でわたしを呼んだ。
「咲夜。」

「ん?どうしたの?」

「…話さなくてはいけないことがあるんだ」

「そんなに改まってなあに?笑」

「咲夜は…昂くんが好き?」

「ママまでどうしたの?
そんなの当たり前だよ?」

「…咲夜。
これから話すことは全部信じてほしい。
それを聞いて、父さんを恨んでくれても構わない。
耳を塞ぎたくなるような話かもしれないが
ただ、全てを聞いてほしいんだ。」