はじまりは大学1年生のときだった。
わたしたちは軽音サークルで知り合い、わたしはカッコよくてすらっとしてる彼に一目惚れした。
お互い高校生の頃からベースをやっていて話も合った。
「名前、なんて言うの?」
新歓でそう彼に言われて、
「綱島結衣。」
わたしはそう答えて、
「結衣ちゃんか。俺は青木拓真。話も合うし、これからもよろしくな!」
こんなどこにでもあるような会話をしただけでも嬉しかった。
でもやっぱりカッコいいだけあって、彼はすごく人気者で……
新歓でも先輩たちにチヤホヤされて、同級生の子も密かに一目惚れした子は何人もいたはず。
わたしももっと近づきたいけど、無理そう…なんて思ってた。