「先輩、私のこと好きですか?」


「うん、好きだよ」


「……じゃ、じゃあっ。なんで目をそらすんですか?」


「……っ」





先輩の困った顔はとてもやさしい。


眉根が下がって、口がきゅってなって、少し右耳の耳たぶをいじる。




その仕草がたまらなくツボでもっと困らせてみたいとか今まで思ってきた。




でも今は、そんな顔して欲しくなかった。






「なんで、答えてくれないんですか?」



教えてよ、先輩。


私はこんなに大好きなのに、先輩のことが!




っやば、涙こぼれそ。





そう思った時には、握られた右手に落ちていた。