「そうなんだろ?」
何から話そうか。
何を話そうか。
傷つかないための予防線は、誰かを傷つけたのか。
「黙るなよ」
「そうじゃなくて……」
「ちゃんと言えよ」
逸らさずに私の目を見てくるショウタの視線に、誤魔化すことは出来ないと思わずにはいられない。
視線を下げて深呼吸をしてショウタをみた。
「言いたくないって、言ったら?」
「やっと見つけたんだ。聞くまで帰らねぇ」
「フフ、頑固ね」
思わず苦笑する。
ショウタの視線と堅い表情に、強い意志を感じる。
グレーのセーターに黒のジーンズ。
仕事ではないのだろう。