翌朝、大晦日。

掃除をして買い物に出かけた。
朝からずっと、妊娠のことは何も言わない。

夜、テレビを観ながらソバを食べていると母がゆっくり話し出した。

「昨日の話、ホントなのね?」

「うん」

母を見ると、真剣に見つめる目があった。

「予定日はいつなの?」

「8月」

「産むのね?」

「うん」

「結婚はしないの?」

「しない」

「理由は?」

「結婚できない。でも産みたいの」

小さくため息を吐いて、少し考えるように私の顔から暫く目線を離した。

そして、目線を私に戻して話し出した。