叔母の家の引き戸を開けて、声をかけた。
「おはよう、ミズト」
「おはようございます」
奥から足音が聞こえた。
「あ、おはよう」
ミズトが叔父に抱っこされて出てきた。
「ありがとう。ミズトおいで?
病院行ってそのあと出掛けるわ。
また明日ね」
「はいよ、気を付けてな」
「行ってきます。バイバイは?」
手を振り、叔母さん夫婦に見送られて出掛けた。
土曜日の病院は混んでいて、予定より早く出たが、病院を出たのは昼過ぎだった。
ミズトは良くなっていて、この病院での通院は終わり、近所の病院で経過観察になって、ホッとした。
出かけようかと思ったが、蒸し暑い梅雨の時期に、ミズトをずっと外に出しているのは怖くなった。