そのあとは何でもない話をして、8時半ごろ店を出て送ってもらった。
家の近くのスーパーで下ろしてもらい、帰ろうとすると、腕を掴まれた。
思わずコバヤシさんを見る。
「本気だよ。
だから、本気で考えてみてよ。
俺と付き合ってほしい。
結婚も視野にいれて」
真剣な顔に言葉が出ない。
いや、腕を掴まれたことが、怖かった。
「じゃ、またね」
ニッコリ笑って帰って行った。
本気、なんだ。
でも、ショウタとは違う。
顔を見てもときめかないし、触れたいとも思わない。
お酒飲んでなくて良かった。
ため息をつきながら家に向かおうとして、気付いた。
向かいの車からの視線。
ショウタだった。