「連絡してこないんだな」
カラオケの店からの帰り道、ショウタがボソッと言った。
連絡を待ってた、なんて言えない。
「……忙しかったから。ショウタ君も色々忙しかったんじゃない?」
「何その意味深な言い方。彼氏できた、とか?」
軽く聞いてくる。
「それはない。笑えるくらいないな。ショウタ君は?
もうすぐバレンタインだけど?」
言いながらチラッと隣をみる。
「いねえよ、彼女は」
その答えにホッとした。
「作る気ないの?」
「めんどくさい」
「へぇ?なんか意外。トラウマ?」
以前聞かれたことを聞いてみる。
「いや。なんとなく…」
言葉を濁された気がして、聞かない方がいいのか、と話をやめた。
明日はバイトもないし買い物しようかな、と考えていると
「なんで喋らねぇの?」
ショウタが言った。