「もしもし?……ああ……今、マイカといる」

『えぇ!マジかぁ』

と言うコウタの声が漏れて聞こえる。

「……まあな……ちょっと待てよ?」

携帯を差し出される。

「お前に替われって」

苦笑いで携帯を受けとる。

「もしもし?」

『マイカちゃん?久しぶりじゃん。
心配してたよ、元気だったの?』

「アハハ、元気だよ?
ごめんね、連絡しなくて」

『それはアヤに言ってよ。
事情はさらっと聞いたからさ。
もう、ショウタが大変だったよ、男前がヘコむと色男になるんだな。
またみんなで会おうよ』

「色男になってた?見たかったなあ」

『あ、ちょっと待てよ、アヤが……』

ガサガサと電話口で音がした。

『マイカ!?』

「……アヤ?」

『もう、どうして連絡しないのよ?
なんで?待ってたのに?』

真剣に言ってるのが分かる。

「ごめんね。なんか……なんとなく、ね。
アヤも元気そうね」

落ち着いて言うと

『マイカ?子供いるってホントなの?』