ショウタと繁華街に来た。
百貨店に入り、指輪のコーナーに連れていかれた。
「ちょっと合わせてみなよ」
「うん……」
これ、かわいい、と目についた指輪をとって中指にはめる。
「似合わないなあ」
そう言って外す。
「これは?」
差し出された指輪を見ると、シンプルな石が入っている。
「入るかな?」
「こっちの指」
薬指を指定される。
はめるとぴったりだった。
「買うか?」
「んー、いい、買わない」
「ふーん?」
ニヤリとしたショウタに言い返した。
「なによ?」
「いや、何でもないさ」
アクセサリーのコーナーを離れた。