「ちょっと、お母さん?」

「ビックリした?」

茶目っ気たっぷりで笑った母に、こまった表情のショウタが口を挟んだ。

「なんで専務まで?」

「やあね、社員が起こした事件の相手がまさかの私の娘だからね、揉み消すにも出来ないし、謝罪しかないってなったのよ」

「この場所にしたのは、こういうことだったのね?」

頷いた母は、笑顔だった。

母の住む町に呼んだ理由はこれだったのだと、分かった。


「月曜日は挨拶行くわよ?セオ?」

「分かってます」

「さあ、ミズト迎えに行こうか。
今日はここに泊まるわよ?

あ、オババが二人もいるのよ?
今からあなたたち二人で出掛けて来ていいわよ?」

「いいんですか?」

「やった!じゃあ、よろしくね」


二人でデートの許しがでた。

「晩御飯も済ませておいでね。
セオは家に帰りなさいよ?」

9時頃帰ると約束して二人で出掛けた。