「それから、子供さんがいるとか?」
「はい」
「相手方は子供については知らないのですよね?
子どものことをとやかく言ってくることはないと思いますが、もし、子供の存在を知られていても否定はしませんよ?
ただ、今回はあくまでもお二人に関係すること、ですからね」
一番不安なことを聞く。
「子供に関係することが出てきますか?」
「ないと思います、安心してくださいマイカさん。
示談の中で被害届の取り下げも要求してくると思います。
どうしますか?」
「大した刑にもならないと思うので、示談の内容を守ってくれるなら問題ないです」
そう言うと、ヒガキさんがニッコリした。
「わかりました。
心労もあると思いますが、体には気を付けてください。
セオさんもリカさんもね」
「ありがとう。
マイカのこと、よろしくお願いいたします」
母が頭を下げる。
「わかりました。
あと、申し訳ないですが、弁護士として動くので、料金が………」
「慰謝料次第ですよね?
きちんとお支払します。
よろしくお願いします」
ヒガキさんは、その後しばらく、ミズトの話と父の思い出話をして帰っていった。