「では、早速本題に入りますよ」
昨日の出来事を話して診断書と被害届の番号を見せた。
「恐らく、相手の方か代理人から警察を通して連絡があると思います。
その時は私に連絡するよう伝えてください。
直接話があっても対応しないでください。
万が一また被害に合いそうなら警察と私に連絡ください。
恐らく示談の中で慰謝料の支払いとあなたたちに近付かないような話になると思いますが、他に条件はありますか?」
「多分ないと思いますが」
「相手方の今後はご存じですか?」
「……退職するかもしれないわね」
母が言う。
「上層部が黙ってないでしょうから」
母の言葉に、ヒガキさんが少し苦笑いした。
「そうでしょうね。
その事には立ち入りませんが。
よろしいですね、マイカさん、セオさん?」
「はい」