仕事帰り、バスを降りて息子の保育園までの道を歩く。

12月の冷たい風が吹き、首をすくめながら、早足になる。

保育園の門を潜り玄関で声をかけた。

「ありがとうございました」

気付いた保育士が笑顔で会釈をして、子どもを呼びにいってくれる。
少し待つと、担任の先生がミズト抱いて来てくれた。


「おかえりなさい。
ミズト君、今日も元気にリズム遊びしてましたよ」

「そっか、楽しかったのね」

息子を抱き取って、ギュッと抱き締めて抱っこひもを背中で留める。

「また明日ね、さようなら」

「さようなら、ありがとうございました」

笑顔で見送る保育園の先生に、手を振る息子に微笑み、会釈をして歩きだす。