「ミズト寝たよ」

寝室から出てきたショウタがそっと襖を閉めながら言った。


「いっぱい遊んで疲れたのね、ありがとう」

テレビを観たまま言った。



「いや……ちょっと話さないか?」


見上げると、ちょっと困ったような表情のショウタがいた。

「お茶淹れるよ」

マグカップをテーブルに置いてソファに背中をもたれて床に座る。

話すきっかけが掴めず、なんとなくついているテレビを観ている。


「俺、明日帰るから。
週末連休だろ?また来る」

「……うん」

「なんか、考えてる?」

「………」

思いを伝えようときめたのに、返事をすることも、ショウタの顔を見ることもできなかった。