良く晴れた翌日、9時ごろにショウタがきた。
玄関のドアを開けたのは母だった。
「おはよう」
「おはようございます。
……課長、スッピンですか?」
「いちいち言わないの」
「いや、キレイデスヨ」
「心がこもってない」
「こもってます」
二人のやり取りに、普段の会社の様子が見えた気がして笑った。
「ショウタ、洗濯物は?」
「あ、頼むよ」
大きな紙袋を渡された。
「わあ大量にあるじゃん、洗濯機回しちゃえ」
ガサッと洗濯機に入れた。
「結構、おおざっぱだな」
呆れたようにショウタが言った。
「セオ?マイカはかなりの大雑把人間よ?」
「へぇ?」
「座右の銘は、大は小を兼ねる、よ。
中学のクラスメイト紹介に書いてあって驚いたわ。
ほんとに私の子?ってね」
「すげぇ、座右の銘ってもっと壮大なもんじゃないの?」
「うるさい。お母さんも余計なこと言わないでよ」
笑っている二人に腹をたてた。