雨も雪も降っていないが、底冷えするような寒さの中、ショウタが運転する車を見送って家に入ると、さっきまでの賑やかさから、うって変わって、少し寂しく感じる。
食事の片付けはほとんど終わっていたので、椅子に座った。
「マイカ、これからのことは、自分の人生だけじゃなくて、ミズトの人生でもあるのよ?
今のミズトには選択肢があっても決定は出来ないの。
認知してもらえるなら、ミズトの戸籍に父親として認めてもらえるわ。
でも、家族としてマイカもセオもミズトも一緒にいられるようになれば、それが3人共に幸せなことになるようになれば、一番いいの。
あなたたち二人がどんな選択をしても、私はマイカのお母さんでミズトのおばあちゃんだから、いつまでも家族なのよ。
セオ君は若いけどしっかりしてるわ。
もう、あなたが逃げちゃだめよ?」
「分かってる」