ショウタのお父さんが、遠慮がちに言い始めた。

「マイカさん、大体の話は聞いた。
失礼なことを聞くが、ショウタの子供で間違いないんだな?」

「はい」

「ショウタも自分の子供だと思うんだな?」

「ミズトは俺の子供だよ」

「なら認知はすぐにしてやりなさい、ショウタ。
それからマイカさんもお母さんが反対じゃないのなら、結婚を考えてほしい」


小さく頷くと、ピンポンが鳴った。


女3人で立ち上がり玄関に向かう。
ドアを開けると叔母がベビーカーを押すような格好で立っていた。


「起きてご機嫌よ?
まあ、みなさん、お揃いでしたか」

「ちょっと入って?」

母が言って、叔母が玄関に入り静かにドアを閉めた。

「私の妹です。この近くに住んでまして」

ショウタたちに叔母を紹介する。


「色々お世話になっております。ショウタの母です」

「ショウタです。いつもありがとうございます」

「ま、ご丁寧にありがとうございます。
うちには子供がいないので、ミズトが賑やかにしてくれて嬉しく思ってます。
長旅お疲れ様です。
ゆっくりしてください。
私は、これで」

私がミズトを抱きとり、バイバイと手を振るミズトに手を振って叔母は帰って行った。