「2年前の年末に、妊娠したけど結婚しないで産むって、マイカが言ってきたわ。
堕ろしなさいとは言えなかった。

産むって決めたのは、理由があると思ってたけど……。

認知はするのね?」

「はい。書類も揃えて来ました」

「結婚は?」

「結婚しようって言ったのですが……」

2人が私を見た。


「ミズトの父親だからって結婚するのは嫌なのよ。
価値観も性格も変わってるかも知れないのに」


はぁ?という表情になった母が言った。


「バカなこと言ってるのはマイカじゃない。
どうして迷うのよ?」

「分からないわ」


親子の喧嘩を止めるようにショウタが話しだした。


「学生の時から、俺はいずれマイカと結婚するつもりでした。
ずっと好きだったから。
今からもう一度やり直させて下さい」



「……私が口出し出来るのは、ミズトのことね」

ちょっと考えるような表情でお茶を飲む母をみた。