リビングにローテーブルを出してお茶を置く。
テーブルを挟んでショウタとお母さんが向かい合て座る。
固まったまま動かないショウタと母にかける言葉がなかった。
二人の目線はテーブルの上に置かれたお茶におかれていたが、母がため息を1つ吐いてショウタを見て話し出した。
「つまり、マイカとセオ君が学生の時、付き合ってた。
マイカは妊娠したことをセオ君に黙ってたってことよね?
父親のセオ君に黙って産んでいたってことでしょ?
どうして言わなかったの?」
話している途中から私を見る。
「就職直前で結婚なんて無理だろうなって思ったのよ」
「俺が信用してもらえてなかったんです。妊娠したって知ってたら、結婚してました。
マイカがいなくなって、探したけど見つからなくて、仕事が始まったら探す暇も無くて……。
マイカに似てる課長が赴任してきて、苗字も一緒で親戚かと思ってました。
こないだのチャイルドシートの話で思い当たって……」
「マイカを探しだしたのね?」