「……信じて、みようかな?」
長い沈黙の中、言葉になっていた、自分の気持ち。
「良かった」
ホッとしたような表情で、笑顔になるショウタ。
「とりあえず、認知の書類書いて?
ミズトは認知するから。
戸籍謄本もいるから、用意しておいて」
認知届を持ってきていたことに驚いた。
「ご両親に、言ったの?」
「明日言う。
明日は課長が来るんだろ?
ちゃんと話すよ。
課長に、なに言われるか、仕事でいじめられないか怖いけど。
うちの両親がどう思うかは気にしないでいい。
認知は俺だけの問題だから。
ミズトの為に認知させてほしい」
「……明日は昼頃お母さんが来るはず」
「一緒に出迎えるよ。ちゃんと好きで付き合ってたって言う」
そんなこと、していいの?
不安と、これで良かったのかという迷い。
言葉には出来なかった。
「あ。そうだ。
あのね、この街は狭いから、未婚の母は噂になるの。だから相手は病気だって広まってるわ。
……元気そうね、ショウタ…」
「あっちもこっちも元気だな、俺」
アハハ、と二人で笑う。
好きな人にもう一度会えた。
一緒に笑う幸せ。
明日はどうなるのだろう。
素直になってみよう。難しい課題だけど。