「寒いね」

歩きながら独り言のように話しかける。

「ホント。
……マイカちゃん、もう卒業?」

「そう。ショウタ君は後2年、学生だよね?ちょっと羨ましいな」

「ハハ…まだ学生生活だな。
今日イブだよ?帰っても一人でしょ?」

「まあね、ショウタ君は実家?」

「いや、一人暮らし」

「もしかして、イブに一人は淋しいの?」

「マイカちゃんは?」

「いつもと一緒だから別に」

「ふーん、じゃ、俺は淋しいから慰めてくれる?」

「淋しがってたらいいじゃん?」

「えー、コーヒー1杯」

「ホントにコーヒー飲むの?」

「飲む」

「……」


本気で家でコーヒーを飲むつもりなの?
さっきまで賑やかだったから淋しいのかな?
と一人納得した。