「あ、暁人じゃん」


教室に入るな否や、ニヤニヤしながら冷やかしてくるコイツは、南 海音。


「どうだったの?あれから星那チャンと!」

「何もしてねーよ。海音じゃあるまいし」


何も、と少し語弊があるが。

「絶対嘘だ!女を取っかえ引っ変えしてる、あの暁人が?」

「・・・。キスはした」


あいつが、煽ってくるから。
まさか、水を取って寝室にもどったら下着姿になって、

「暁人~」

って甘えて抱きついてくる星那に我慢なできなくなった。


・・・なんてことまではコイツには言えないけど。


いや、キスだけで我慢した俺を褒めて欲しい。
まだまだ盛んなお年ごろだ。

「ほんとにキスだけかよ!?」

「当たり前だろ!」

「だって・・・、信じらんねぇ。お前、好きな女とふたりきりって、俺なら我慢出来ねぇよ!ましてや、あの星那チャンだぞ!」


星那は学年で結構人気がある。