かなり急いで身なりの支度をして


作ってくれたお母さんには悪いけど朝ご飯を食べずに出てきてしまった


でもそのおかげでいつもより少し遅れてるけどほとんど同じ時間に家を出れた

これなら集合時間に間に合いそう


「これなら間に合うよね」


と胸をなでおろしながら呟くと後ろから



ドンッ



と背中に衝撃がはしった


「うわっ」


多少よろめきながらも首に回された腕、そして手を見る


私はこの爪を綺麗に切りそろえた丸い手をよくよく知っている


だから怖くもなんともない



「梨可!いきなりびっくりするでしょ!」


そう言って手をポンポン叩くと


「へへ、バレたか〜」


と後ろからひょいと顔を出した

梨可は私の親友だ


「もう、当たり前でしょ!」


「ごめんて、怒んないで!おはよう!」


顔をクシャクシャにして笑うのがこの子のいい所

この笑顔見たら何でも許しちゃうんだよね


「私は止めたんだけどね、おはよ由美」


そしてその後ろにいる実咲も私の親友だ