「そろそろ行こうか?」

「うん」


小さなバッグだけを持って立ち上がり、優人さんに続いて部屋を出た。

何となく自分の殻に閉じ籠っているような優人さんに、


私は、ここにいるよ


と思いながら、腕をとった。


会話は無くても良かった。
ただ、何があっても、ここにいると意思表示したかった。