約束の時間に間に合うように家を出て、秋の空気を感じながら、ゆっくり歩いていく。 駅のロータリーで優人さんの車を見つけて近付くと優人さんが車から出てきた。 「迎え、ありがとね」 「ああ。今日、夕方には帰らないといけなくなった」 ちょっと表情が固い。 「分かった。 今からどこ行く?」 「……」 機嫌悪いのか、いつもと違う雰囲気に戸惑いながら助手席に乗り込んだ。 車を発進させて、前だけを見ている優人さんの表情は何か考えているのか分からない。 会話は無かった。