美紗?!いったい何を…


「み、美紗…な、何言ってんの?」


「おっと、空選手!同様を隠せない様子だぁ!ピーンチッ!」


何でそんな事になるんだよ…


「確かに、そんな感じするかもねぇ…」


「ゆ、優子まで…」


何だってそんな事になってんだよ!全然違うし!


俺が好きなのは…


「ははっ!冗談よ、冗談!」


「もー!止めてくれよ…」


どうなる事かと思ったよ…


すると亮の彼女が、いいタイミングで話題をずらした。


「そういえば、年明けに、イベントがあって、それに参加するって言ってなかった?」


「あぁ、あれね…『NEMESIS』の時の話だから、無かったことに、なるんじゃないかな…」


「年明けてすぐの、成人の日のやつだろ?どっちにしろ、俺達にはベースがいねぇからなぁ…」




俺達には、仲良くしてるバンドが何組かいた。


その内の一組が、成人式を迎える記念として、バンドを10組集めて、ライブイベントをやる事にしたのだ。


「俺達はその一組目に演奏する事になってたんだよな…」


「10組集めるなら、かなりの数の人が集まるだろうな…」


「あぁ、何でも500人は入る所で、やるらしいからな」


500人?!全員が驚いた。


「まじかよ?知名度上げるチャンス、不意にした感じ?」


「何とかベースが間に合えば、俺達の実力を思い知らせることも、できるんだけどな…」


「…でも仮に、ベースが見つかっても、成人の日でしょ?間に合わないよ。曲もできてないし」


「そんなもんは、気合いで何とかなる!」


「人間は気合いじゃあ、どうにもならんよ…」


「成人式のイベントは、諦めるとして、どうにかしないとな」


「明日から、楽曲店とか、CD屋回って、メンバー募集の紙を貼らせてもらおう」


大変だな…だか、やるしかない!


ボーカルは、俺の望んだ通り、美紗で決まったんだ。


美紗の魅力を、最大限に引き立たせる曲を作って…


後は、ベースを揃えれば…

俺達は必ず、向こう側に行ける!


俺はそう信じ、奮い立っていた。