「俺が幸せに?
唯歌がいなくなったのに?
唯歌……」
私も涙が止まらなかった。
「唯歌はきっと幸せだったんでしょ?
だから、これからの功さんの幸せを願っていたんだよ?
最期に姉が残した言葉に私達家族は救われたの。
功介さん、もう、自分を責めないで。
唯歌に感謝だけをしてほしい。
そして、あなたの人生が幸せであってほしい。
もう、タラレバの後悔はやめよう?
ね?」
「……なるべく、そう思うようにするよ」
顔をあげ、私から離れて、反対を向いて空を見ながらじっと考えていた功さん。
何を思っているのだろう。
話しかけることも、動くこともできなかった。
しばらくして振り向いた功さんは、明らかに泣いたあとの顔だった。
「戻ろう」
声をかけて功さんの腕をとった。