外をみると、海が見えた。
遠くに繋がってる海を何となく見ていたら、優さんが隣に座ってきた。

優さんを振り向くと、優さんの顔が近づいてきて、目を閉じた。

キスをされてすぐに離れた唇。

「これ」

手渡されたのは、鍵。

「マンションの入り口の暗証番号は……。いつでも来ていいから」

手に乗せられた鍵を見つめる。

「……ありがとう」

「信じてほしいから」

「わかった」

高校生の私が使うことは、おそらくないだろう。

でも、いつ来てもいい、って言葉が嬉しかった。

「風邪で倒れたら、鍵あけて、看病しに行くよ」

「頼むよ」

穏やかに笑う優さん。

「好きよ……これからも」

「知ってる」

「……知らないと思ってたわ」

フッと笑い、私の頬っぺたをすっと撫でた。