辺りが暗くなってきていて、また会おうと約束して、手を振り、歩いて帰る千奈美と別れ、美輝と歩いて駅に向かう。
その時
「!」
目を疑った。
優さん?
スーツ姿の優さんが二人?
じっと見ていると、二人は街中に紛れていった。
―――どう考えても、家族だよね?
きっと家の用事で出掛けてたのだろう。
美輝は気付かなかった。
家に帰り、スーツ姿の優さん、かっこよかったな、と思い返していた。
と同時に、距離を感じた。
翌日からまたいつものようにコンビニで会う。
何も聞かないし、優さんからも何も言ってこなかった。