部屋に着くと、チラッと私を見た優さん。

「でかけるのか?」

「夕食は家族と外で食事なの」

「何時?」

「6時に待ち合わせ」

「そうか。とりあえず、紅茶でも飲むか?寒かっただろ?」

「うん」

紅茶をいれてくれる。
その紅茶を一口飲み、

「あのね。これ」

紙袋から色々出した。

「これが、チョコ。
これが、プレゼント」

すぐに包みをあけてくれた。

「これってお前が好きな店のチョコ?
これは?……マフラーか?
ありがとう」

にっこりした優さん。

「で、これが、作らされた……いや、私が作ったチョコ。
こっちは、春菜が作ったチョコ」

「作らされた?」

吹き出しながら私を見た。

「あー、まあ、無理やり誘われたというか。
ごめんね、簡単すぎるもので」

「へぇ?作れたんだ」

「私って何でもできるみたいね。
どれから食べる?」

じゃあ、と、選んだのは私が作ったチョコだった。

「うまいよ」

「はは、ありがとう。でも手がかかってないけどね」

一番に食べてくれると、やっぱり嬉しい。


良かった、と、思ってると触れるだけのキスをされた。