「お邪魔します」 と靴を脱ぎ、揃える。 じっと見ていた春菜が、 「やっぱり仕草が和風よね?」 「あら、誉めてくれるの?ありがとう」 「素直ね」 「いつも、素直よ? 春菜のご家族は?」 「今日は仕事。弟も遊びに行ったみたいね」 「そっか。みんな忙しいんだね。 で、ほんとに作るのね?」 手に持った荷物を見ながら言う。 「今更何を言ってるの? 早速つくるわよ」 呆れたように、春菜が言った。