「とりあえず、材料ってどこで買うの?」
歩き始めた春菜に合わせて歩きながら聞いた。
「三階の特設コーナーで色々売ってるよ?なに作るか決めたの?」
「うん。超簡単なもの。春菜は?」
「私は、トリュフだよ。料理嫌い?」
「嫌いもなにも、やる気ない」
「楽しいのに。優さんに作ってあげないの?」
「……優さんがつくってくれるよ」
「…………まじ?」と大笑いする春菜。
「………」
返す言葉がない。
「ま、初の手作りってことで」
「最初で最後かも」
二人で笑ってしまう。
「で、何つくる?」
「ビスケット砕いて、溶かしたチョコに入れて固めておしまい。」
「………大丈夫おいしくできるよ」
「そうだよね?だって、私は、砕いてチョコをレンジに入れて混ぜるだけだもん」
「一手間に愛をこめるのよ、わかった?」
「はいはい、一手間しかないけどね」
喋りながら、材料を揃えてレジにいく。
そのあとは歩いて春菜の家に向かう。
広い一軒家に、鍵をあけて入っていく春菜について入った。