2月初めの発表会に向けて、練習していた週末。


「予定変更だ。

歌織たちの学校のホールを借りて発表会しようと思う」

師匠の言葉に唖然とする。

確かに音響を考えて造られたホールがある。
観客用の椅子も好きなように並べられて、演劇をするときは、花道も組み立てられる。


「それなりに準備が必要になるから、香奈美ちゃんと一緒に打ち合わせにきてね、明日の放課後、校長室」

はぁ?明日?

不満が顔に出ていたのだろう。


「頼むよ、プログラムは苗字なしで作ったよ。ほら」

ありがとうございます

と呟くように言ってプログラムをみる。

通称としての苗字を高校から変えた為、今までを知ってる人には説明しにくいので、名字を入れずに、とお願いしていた。


強制的に明日の放課後は校長室だな。


ため息を小さくついて、頷いた。



練習を終えて、優さんと春菜にラインで明日は送って行けないと伝え、香奈美さんに、一緒に行こうと連絡した。