年が明けてすぐ、日本舞踊のコンクール出場し、そのあとは少し、気が抜けたような日々を送っていたが、世の中は流れていき、いつの間にかバレンタイン商戦の街中もホワイトデー商戦に変わっていた。

冬の風が吹いているが、陽射しや街路樹の木々に新しい花の芽が見え出す。


3年生の卒業式も終わり、私達の学年末試験も終えて、終業式を待つばかりの日々。


お稽古も終わり、部屋でストレッチをしていると、マナーモードのスマホが震える。

“明日、帰りに遊べる?”

春菜からのメッセージ。

“行けるよ!”

“じゃあ、よろしく”

分かった、とメッセージを入れる。

春菜は私のお稽古の日を知ってるから、合わせてくれたんだと思ってちょっとうれしくなる。
龍くんも進学が決まり、卒業式も終わったから、放課後は直接待ち合わせているようで、一緒に帰ることは無くなっていた。