「両親にご対面しちゃったね、嫌なこと言われなかった?」


門を出て、歩きながら話しかけた。


「いや、全然。

唯歌のこと、責められるかと思ったけど、それもなかった。

俺、歌織ちゃんのお父さんを見かけたことあるんだ。
そんで、やっぱり名前で素性が分かったみたいだった。

苗字を通称にしてる歌織ちゃんの気持ちわかるよ」

ハハ…と笑いながら言った。

「それに、お母さんと唯歌そっくりだな。
歌織ちゃんとお父さんも似てるね」

「そう。唯歌と私は似てませんよ」

「また来たくなったら、お線香あげに来てもいいか?
でも、ちゃんと自分の将来もみて、幸せを感じられるように、生きていくよ」

「いつでも、ど~ぞ」

コンビニまで来て、ここまででいいよ
と言う功さんと少し、立ち話をする。