線香をたてて、長い間手を合わせていた功さんが振り向く。

「ありがとう」

「こちらこそ……」

和室の机に二人で向かい合って座った。

「これ」

首からネックレスを外して唯歌の指輪をはずして、握りしめる
自分の指からも指輪を外して二つの指輪を握っては開きを繰り返す功さんが、ちょっと切なかった。