二人で客間を出て、廊下から和室に入る。 姉の遺影が微笑んでいる。 蝋燭に火をつけて、座蒲団を少し直して置き直す。 後ろに下がり、頭を下げて仏壇の前を勧めると、功さんは座蒲団を避けて畳に正座をして、食い入るように遺影を見つめていた。 急かすことはしない。 時が止まったような、空気すら動きを止めたような沈黙。 ただ、功さんの背中を見つめていた。