「………1週間。

その指輪を2つとも俺に預けてくれないか?」

「けじめをつけるってこと?」

「そう思ってくれていいから」

「じゃあ、来週の土曜日?
ここでいいの?」

「いや、金曜日、家に行ってもいいか?
遺影がみたい。

ご両親がいたらまずいか?」

「両親の予定はわからないわ。
いつもなら仕事だから、いないと思うけど、いたら困る?」

「……かまわない

けど、ちょっと怖いかな?」

「ハハ…怒ることはないと思うけどね。」

そういって、指輪を渡すと、手にのせてしばらく指輪を見つめ自分の指輪を指にはめた。

首にかけていたチェーンを外して唯歌の指輪を通して、首に戻した。


「ありがとう」


首を振って応えた。

立ち上がって、もう一度お墓に行く功さんと途中で別れて、駐車場へ向かった。


「お姉ちゃん、愛されてたのね」


呟いた声は、曇り空に消えた。