6月になり、湿度が高くなり梅雨を感じさせるようになった。
別れてから初めてコンビニで優さんに会ったのは、
昌さんと少し喋った次の週になってからだった。
コンビニに入り、買い物もなく、雑誌を見ていると、
「おつかれ」
と龍くんを、先頭にゾロゾロと入ってきた中に優さんが、いた。
「あ、こんにちは」
ちょっと戸惑ったような優さんの顔をみて、
「久しぶり」
と言うと、「おう」
といつもの優さんの顔になった。
それでも、衣替えで夏服になっている優さんをみて、なんだかキョリを感じる。
「何か買うの?」
功さんが聞いてきた。
「今日は何も買わないの。
春菜引き渡したら帰るだけ」
「そっか、俺はちょっとガムを…」
と私の横を通りすぎるとき、功さんが小声で言った。
「唯歌の指輪のことで、連絡いれるから、よろしく」
ちょっと目を開いて功さんの顔を見上げたが、返事をする前に立ち去っていった。
思わず昌さん、龍くん、優さんを見ると、みんなも私をみていた。
ヘヘっと、思わず笑うと、ん?という表情になる3人。