昼休み。
春菜と中庭に出る。
「一応、言っておくけど、優さんがね、自分が悪くて別れたって自分から言ったの。
諦めないって言ってたけど、ストーカーとかになってない?」
「ストーカー?
ないない、大丈夫」
「じゃ、聞くけど、なんで別れたの?」
「ハッキリ聞くのね?」
クスクス笑いながら答えた。
「龍くんにも言わないから、歌織の気持ち教えて」
「……えっと
優さんが女の人といるところを見てね、誤解だったらしいけど、あんまりにも疲れちゃって、信じきれなくて、っていうか、不安が勝ってしまって、このまま付き合うのは無理。って思ったの。
このまま付き合っても、楽しくないなら辛いだけでしょ?
好きって言うだけで、全部を信用できないって、辛かったし、これからもずっとそう思うなら、恋愛はいらない」
「むずかしいなぁ。
ってか、歌織って騙されにくいひとなんだね」
「そうかも?」
「ってことは、まだ好きなんだ」
「ん―……よくわからない」
「ま、それは正直なところどうでもいい」
「どーでもいいの?」
笑ってしまう。
「だって、二人のことは私たちには関係ないでしょ?
最後に聞くけど、龍くんたちに会うのは平気?」
「平気だよ」
彼らは家の繋がりもあるから、ちょっと気になってたんだろうな、と考えが読める。
「じゃあ、今日は一緒にコンビニ行ってくれる?」
「うん、行こう」
「良かった」
サバサバした春菜と喋るとどこかすっきりする。
午後からの授業が始まる教室に向かった。