週があけて、学校がはじまった。
「ちょっと!」
春菜に呼ばれて机で寝ようとしていた私は顔をあげた。
高野君立花君もいる。
「別れたって本当なの?」
小声で聞いてくる。
「うん、ほんと」
「なんか、あったんだろ?」
立花君が心配そうに言う。
「優さん、歌織のことベタぼれだったから、ビックリしたけど。
本当なんだな?」
高野君も言う。
「アハハ、ベタぼれかわかんないけど、別れたよ」
笑いながら言うと、三人がちょっと困った顔になり、春菜が言った。
「よくわからないけど、歌織は大丈夫なの?」
「大丈夫。優さんに会っても平気だよ」
みんなが困ったような顔から、呆気にとられた顔になった。
「………ま、いいけど、ちょっと、意外で、な?」
と高野君が春菜に言う。
「意外っていうか、マジでビックリした。またコンビニとかでも会うかもでしょ?」
「会っても平気。
あんまり意識しないでよ?
気を遣われると困るから」
その言葉で騒ぎ立てるのは止めてくれたらしい。
「まあ、優さんも3年生だし、忙しくなるだろうからなあ。
そうそう、龍くんも塾というか予備校に行くみたいで、毎日は会えなくなるの」
「やっぱり受験生なんだね」
「そう。火曜、木曜、土曜は塾になっちゃって、あんまり会えなくなっちゃった」
そろそろ受験準備なんだね~
と朝から愚痴をこぼしだした。
敢えて、話題を変えてくれたのかもしれない。